2020年 新年を迎えて

 令和になって初めての年明けですが、皆様は如何お過ごしになられたでしょうか?
「令」という文字は会意文字で「人やねの下に一」(=シュウ、人を集める)と、「卩」(=セツ、人が跪く)からなり、総じて「人を集めて従わせる」という意味、または規範やルールの意味もあるようです。

 また「和」は形声文字で口と音符「禾」(=クワ)からなり、人の声に合わせて応じる、ひいては、心を合わせて「和らぐ」の意を表しますので、個人的に「令和」とは、「令に和する」と訳し、「人々が令(戒め・規範)に応じて、心ひとつに和むべし」という意味に解釈しています。

 昨今では、技術的革新が加速され、現在価値の賞味期限が短くなってきているこの世に自分の価値観を和することは、非常に難しいことかも知れませんが、環境破壊、戦争、飢餓、疫病などの世界規模の問題を解決するためには、令に和することは一考の値打ちがあるかもしれません。

 2020年は日本にとっても難しい1年になりそうな予感がします。東京五輪以降は、経済低迷を予測する向きも多いですし、長期的には人口減少、高齢化なども可視化された問題を突きつけ始めることになるでしょう。

 以前、2050年には日本はGDPもメキシコに抜かれ、世界で第8位に転落するというPwCのレポートがありました。また別の調査では、日本の企業従事者はアジア太平洋15ヵ国の中で、一番向上心が低く、自己研鑽を行わないことが報告されていました。国力とは「人口(量)×能力(質)」だと思いますが、このままでは量においても、質においても国力の増進は困難ではないかとの危惧感が満ちてきます。

 この休暇にもたくさんの本を読みましたが、以下の2冊が心に残りました。
●新たなAI大国 その中心に「人」はいるのか?(オラフ・グロス、マーク・ニッツバーグ著)
●ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来(ユヴァル・ノア・ハラリ著)
社会はいずれ「データとアルゴリズム」に支配される時代が来る(その先にホモ・デウスが出現するのですが)。そして、AIはアメリカと中国を中心に成長し、新しい勢力図を作るというところに、この2冊が繋がっていきます。

 国力後退が予測される日本ですが、上記の未来予測の中に、勢力逆転の可能性を感じます。これからの社会を変えていくDX(デジタルトランスフォーメーション)では、要素技術のアメリカ、国家を上げた強引な体制構築の中国にアドバンテージがありますが、応用技術と質の高い労働力を有する日本にもそれなりの優位性があると感じています。
「令に和する」心のある日本の現場力こそが、今後の発展の礎になると信じたいところです。

 好きな言葉にプロシアの鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というのがありますが、この不確かな2020年に、いま一度、日本の歴史(特に明治維新以降)の本質を再考することが重要ではないかと考えます。資源大国でもなく、金融、物流大国でもない日本が、製造立国として国を反映させてきたこの事実に原点回帰する必要があるのではないでしょうか。

 弊社はものづくり企業の活性化を通じ、日本の発展に寄与することを目的に起業致しました。起業以来、生産管理システム『Factory-ONE 電脳工場』シリーズを国内外に展開し、一昨年にはコネクテッドインダストリーズに対応するクラウド型EDI『EXtelligence EDIFAS』、昨年には弊社オリジナルのRPA『Owlgarden RPA』をリリース致しました。

 今後も技術革新の波を捉え、一歩未来を行くものづくりソリューションの開発に邁進し、もう一度、国力高揚の一端を担うことができるような、そして「令に和する」DX製品開発に努めて参りますので、今後も弊社及び弊社製品、サービスにご注目頂ければ幸甚です。

 文末ながら2020年の皆様のご盛業をお祈り申し上げます。

2020年1月7日 抱 厚志

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